「チャック」と「ジッパー」、「ファスナー」の違いとは?

「チャック」は便利ですが、ひっかかって動かなくなったときに困りますよね。

そういうときは鉛筆やリップクリームなどで歯の部分を滑りやすくすると直りやすいです。

また、「チャック」と似たようなものを指すのが「ジッパー」や「ファスナー」。同じものであっても人によっては「チャック」と呼んだり、「ファスナー」と呼んだりしますよね。

では、「チャック」と「ジッパー」、「ファスナー」の違いについてお伝えします。

チャック

「チャック」は日本開閉器工場の分派会社「チャック・ファスナー社」の「チャック印」という商標登録名からきています。

1927年に広島県尾道で巾着のようにきっちり閉まることから「チャック印」として売り出したことが評判となり、そこから「印」の部分が消えて「チャック」と呼ばれるようになりました。

その後、登録商標ではなくなり、一般名称として人々の間で「チャック」が使われています。

ちなみに、日本独自の呼び方のため、海外では通じません。日本で「チャック」と呼ばれているものは、国際的には「slide fastener(スライドファスナー)」と呼ばれています。

ジッパー

「ジッパー」はアメリカのグッドリッチ社が名づけた登録商標からきています。

1921年にグッドリッチ社が弾丸などの小さな物が空気中を飛ぶときの擬音「zip」から名付けたもの。アメリカでは「ジップファスナー(Zip fastener)」とも呼ばれています。

その後、登録商標ではなくなり、「チャック」同様に一般名称化。

ファスナー

「ファスナー」は締めるや留めるを意味する動詞「fasten」にerがついた名詞

「fastener」は留め具を意味し、ネジやボルトなどを指します。日本で「ファスナー」と使っている言葉は、正確には「スライドファスナー(slide fastener)」。

「スライドファスナー」は「チャック」や「ジッパー」よりも歴史が古いです。1891年にホイットコム・ジャドソンが靴紐を毎回結ぶことに不便さを感じ、靴のフラップ部分をスライドファスナーにしたものが起源。シカゴの「コロンビア博覧会」に出品されていたものにルイス・ウォーカーが目をつけ、1893年にシャドソンに製造機械の製作を依頼して「ユニバーサルファスナー社」が誕生しました。

1905年には改良が加えられた「ザ・オリジナル」が誕生し、今のファスナーの原型だと言われています。

「チャック」と「ジッパー」、「ファスナー」の違いとは?

「チャック」と「ジッパー」、「ファスナー」は同じものを指します。そのため、どの呼び方で呼んでもOKです。

最後に関わった会社などを復習しておきましょう。

関わりのあった会社 由来
チャック チャック・ファスナー社 巾着をもじった造語
ジッパー グッドリッチ社 弾丸などの小さな物が空気中を飛ぶときの擬音「zip」から作った造語
ファスナー(スライドファスナー) ユニバーサルファスナー社 fastenにerをつけた名詞

今回は「チャック」と「ジッパー」、「ファスナー」の違いについてお伝えしました。

由来はそれぞれ違いますが、どれも同じものを指す言葉です。日本では「ジッパー」の使用率が低く、次に「ファスナー」、そして「チャック」。

日本で生まれた言葉だけに「チャック」を使う機会が多いみたいです。

ぜひ参考にしてみてください。