「交渉」と「折衝」の違いとは?

ビジネスや政治のシーンで使われる「交渉」や「折衝」。

また、最近はそれらの英語である「negotiation(ネゴシエーション)」が使われることも増えてきました。この英語は「交渉」の意味と「折衝」の意味の両方で使われます。

でも、2つの意味が全く同じというわけではありません。

今回はそんな「交渉」と「折衝」の違いについてお伝えします。

交渉

「交渉」は相手と話し合いをし、取り決めようとすること。または、掛け合うこと

ちなみに、「交渉」には人同士の結びつきやかかわり合いといった意味もありますが、「折衝」の意味と近い使い方をするのは上の意味なので割愛。

また、相手は人の場合もあれば、会社、国の場合もあります。例えば、値引き交渉といった人とお店との間での身近な交渉もあれば、協定のための国同士の交渉といった大きな交渉まで様々な場面で使われる言葉です。

折衝

「折衝」は利害関係が一致しない相手と問題解決のために駆け引きをすること

利害関係が一致しない相手ということで国同士の駆け引きに使われる機会が多いですが、会社と組合や金融機関と会社のように利害関係が一致しない相手にも使う言葉です。人同士には使わず、国や会社などの団体の公的な話し合いのときに使います。

また、中国由来の言葉で「敵の衝(突)いてくる矛先を折ること」が原義。互いに妥協して折り合いをつけるというニュアンスが含まれます。

「交渉」や「折衝」以外にも「渉外」という言葉があり、そこも少しだけ触れておきましょう。

渉外

「渉外」は外部と連絡・交渉すること

外部というのは主に外国を指し、他にも外回りの営業(会社から見ると外部)などで使います。

金融業界や百貨店業界では営業職と言わずに「渉外業務」といった表現を使っている場合もあるでしょう。

「交渉」と「折衝」の違い?

「交渉」と「折衝」は相手が違います。

「交渉」は個人同士や個人と団体、団体と団体、国と国といった広い範囲で使えるのに対し、「折衝」は団体と団体や国と国といった公的な駆け引きに限定して使われる言葉です。

また、「交渉」と「折衝」では目指すべきゴールも違ってきます。

「交渉」の場合はお互いが納得するゴールを目指します(交渉の結果でどちらかが有利になる場合はある)が。「折衝」の場合は利害関係が一致しない相手のためにお互いが妥協し、納得できるゴールを探るというニュアンスを含むでしょう。

 

今回は「交渉」と「折衝」の違いについてお伝えしました。

「交渉」と「折衝」は似てはいますが、使い方はそれぞれ違います。会社員の場合は「折衝」や「渉外」を使う機会もありますが、一般的に使う機会が多いのは「交渉」でしょう。

「交渉力」や「折衝力」のある会社員は重宝されます。

ぜひ参考にしてみてください。