「本みりん」と「みりん風調味料」の違いとは?
照りやツヤを出し、魚の臭みも消してくれる「みりん」
醤油や味噌などの醸造調味料とも相性が良く、日本料理では欠かせない調味料のひとつです。
また、「みりん」といえば、「本みりん」と「みりん風調味料」、「みりんタイプ調味料」があります。
今回はそんな「本みりん」と「みりん風調味料」、「みりんタイプ調味料」の違いについてです。
本みりん
「本みりん」はもち米に米麹を混ぜ、焼酎や醸造用アルコールを加えて2ヶ月ほど熟成させたものを圧搾、ろ過してつくる醸造調味料。
また、これは一般的に販売されているもので、伝統的な製法で作っているものは1年以上熟成させて作ります。
約14%のアルコールが含まれ、分類上はお酒。酒税がかかり、酒類販売免許のあるお店しか買えません。
そして、「みりん」と言った場合は「本みりん」のことを指す機会が多いです。
みりん風調味料
「みりん風調味料」は1%未満のアルコールにうま味調味料や水飴などの糖分を加えてつくる甘味調味料。
アルコールを1%未満にすることで酒税がかからないので「本みりん」より安価でありながらみりんに近づけている調味料です。
アルコールが低いこと自体にも利点があり、アルコールを飛ばす必要がないので和え物などにも使えます。
みりんタイプ調味料
「みりんタイプ調味料」はもち米や雑穀を糖化し、一部アルコール発酵をさせたものに醸造アルコールと塩を加えてつくる醸造調味料。
「発酵調味料」や「醸造調味料」と呼ばれることもあります。
そして、特徴は塩が加わっていることです。1%以上のアルコールには酒税がかかりますが、塩を2%程度加えて飲用でなくすことによって酒税がかからなくなっています。
そのため、「本みりん」に近いながらも安く購入することが可能です。
ただし、塩が含まれる欠点もあり、料理の際に「みりんタイプ調味料」に含まれる塩分も計算して作る必要があります。
「本みりん」と「みりん風調味料」、「みりんタイプ調味料」の違いとは?
「本みりん」と「みりん風調味料」、「みりんタイプ調味料」の違いは以下の表を御覧ください。
本みりん | みりん風調味料 | みりんタイプ調味料 | |
---|---|---|---|
原材料 | もち米、米麹、醸造アルコール、糖類など | 糖類、米、米麹、醸造酢、調味料など | 米、米麹、醸造アルコール、糖類、食塩など |
作り方 | 糖化、熟成 | ブレンドなど | 糖化、発酵、塩を加える、ブレンドなど |
アルコール度数 | 約14% | 1%未満 | 8~20% |
塩分 | 0% | 1%未満 | 約2% |
メリット | ・魚の臭みをとる ・煮崩れを防ぐ ・テリやツヤを出す ・上品な甘みをつける ・味を染み込みやすくする |
・安価でみりん風の味を出せる ・アルコール分を飛ばす必要がない ・価格が安い |
・魚の臭みをとる ・煮崩れを防ぐ ・テリやツヤを出す ・味を染み込みやすくする ・価格が安い |
デメリット | ・価格が高い ・アルコール分を飛ばす必要がある |
・食べる人が食べると本みりんでないことがわかる ・アルコール濃度が低いので本みりんよりも未開封時の賞味期限が短い |
・塩分が入っているので料理をレシピ通り作るのが難しくなる ・アルコール分を飛ばす必要がある |
今回は「本みりん」と「みりん風調味料」、「みりんタイプ調味料」の違いについてお伝えしました。
それぞれに利点があり、欠点もあります。賞味期限は未開封状態だと本みりんとみりんタイプ調味料で1年半、みりん風調味料で1年と長めですが、開封後は酸化しやすい調味料なので3ヶ月程度を目安に使い切るようにしましょう。開封後は「本みりん」と「みりんタイプ調味料」は冷暗所、「みりん風調味料」は冷蔵庫で保存しましょう。
ぜひ参考にしてみてください。
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