「土偶」と「はにわ」の違いとは?

あなたは「土偶」と「はにわ(埴輪)」の違いを聞かれた時にすぐ答えられますか?

歴史に詳しい方ならば即答できるかもしれませんが、疎い方だとなんとなく違うのはわかるけど明確な差がわからなかったり、同じものだと勘違いしてたりしますよね。

また、土偶といえば、ドラえもんの映画「日本誕生」にも出ていて、あれが怖かったなんて人もいるでしょう。(リメイク版では1体から5体に変更されていました。)

では、今回は「土偶」と「はにわ」の違いについてお伝えします。

土偶

「土偶」は縄文時代(約15000年前~紀元前4世紀頃)に作られた土製の人形

人型や動物の型で作られ、特に多いのが女性の像。

まじないや祭祀などで使われた説があり、女性(母親)の像が多いのは安産や多産を願ったからとも言われています。また、手足の一部などが破損したものが出土しやすく、身代わりとして厄災を払う役割もあったのではないかと考えられているようです。

そして、「土偶」は弥生文化へとうつっていく過程で作られなくなっていったと言われています。

はにわ(埴輪)

「はにわ(埴輪)」は古墳時代(3世紀半ば過ぎ~7世紀末頃)に作られた素焼きの焼き物

人や動物、武器・防具、家などを象った形象埴輪や円筒の形をした円筒埴輪、器台の上に壺をのせた形の朝顔形埴輪があります。

時代が進むにつれ、円筒埴輪→朝顔形埴輪→形象埴輪と作られるようになっていきました。

また、古墳の周りに置かれているのは円筒埴輪で、霊に対する捧げ物や故人の権威を表す物として置かれたそうです。古墳へと入れないようにする柵としての役目も。

そして、形象埴輪が作られるようになった頃には、意味合いにも少し変化があります。権威などを表していたものから葬られた人物の生活の再現や功績を表すものへとなっていきました。

ちなみに、「はにわ」は仏教が入ってきたことにより宗教観が変わったことで作られなくなったと言われています。

「土偶」と「はにわ」の違いは?

「土偶」と「はにわ」は作られていた時代と作っていた目的が違います。

「土偶」の方が縄文時代と古く、「はにわ」の方が古墳時代で「土偶」と比べると新しいです。

また、「土偶」は願掛けや身代わりの目的で使われ、「はにわ」は時期によっても違いますが、権威を表したり柵の代わりだったときもあれば、故人の生活の再現のときもあります。

 

今回は「土偶」と「はにわ」の違いについてお伝えしました。

簡単に言ってしまえば、時代と用途が違うこの2つ。

身代わりの意味もあるからか「土偶」の方がなんとなく怖いイメージがありますよね。

ぜひ参考にしてみてください。