「もやし」と「豆もやし」、「黒豆もやし」の違いとは?

「もやし」は本来、豆類や穀類、野菜の種子を人為的に発芽させた新芽のことを指す言葉。語源は「萌やす」の名詞形で、新芽が萌え出ることや若芽がぐんぐん伸びていくという意味からつけられました。

ちなみに、「ブロッコリースプラウト」が発売されてからよく聞くようになった「スプラウト」と同義の言葉です。また、かいわれ大根や豆苗も「スプラウト」の仲間。

でも、一般的に使われているのはそれとは違い、豆類を発芽させて暗所で発芽・成長させたものを指すことがほとんど。そして、「もやし」には主に3種類あり、「緑豆」と「大豆」、「黒豆(ブラックマッペ)」があります。何もつけずに「もやし」と言った場合は、国内流通の約9割である「緑豆もやし」を指すことが多いです。

また、他も豆なんですが、「大豆もやし」のことは「豆もやし」と呼ぶ場合も少なくありません。さらに、ひげ根が切られた「根切もやし」というものもありますが、どの種類のものもあり、パッケージに「緑豆」や「大豆」、「黒豆」と書かれているのでそれで見分けましょう。

今回はそんな「(緑豆)もやし」と「豆もやし」、「黒豆もやし」の違いについてお伝えします。

もやし

「(緑豆)もやし」は緑豆(青小豆)を水に浸し、暗所で発芽・成長させたもの。

緑豆(青小豆)は月餅の餡や春雨の原料になる豆で、ほぼ全てを中国から輸入しています。昔(17世紀頃)は日本でも栽培されていたようですが、今は実験レベルでの栽培はされているものの気候や採算の問題から国産のものはありません。

また、「もやし」の特徴は軸がしっかりとしていて太くて長く、白色の光沢があります。食感はシャキシャキとしていてみずみずしく、クセのない味です。

豆もやし

「豆もやし」は大豆を水に浸し、発芽・成長させたもの

原料の大豆はアメリカやカナダ、中国から輸入したものが多いですが、国産のものもあります。国産や有機栽培のものはコストがかかる分、少し高めです。ただし、高いといっても「もやし」にしては高いというだけで、手の届かない金額ではありません。

また、緑豆や黒豆のもやしとは違い、豆の部分が大きいのが特徴。食感は茎の部分はシャキシャキで豆の部分は独特、味もやや独特の部類です。さらに、大豆イソフラボンが効率よくとれ、同じ重さの大豆を食べるよりも同じ重さの豆もやしを食べたほうが摂取量が多くなります。

黒豆もやし

「黒豆もやし」は黒豆(ブラックマッペ)を水に浸し、発芽・成長させたもの

黒豆(ブラックマッペ)はインドで食べられる「ナン」の原料で、主にタイやミャンマーから輸入しています。緑豆のように国産はされていません。どうやら、黒豆は寒暖差のある地域のほうが栽培に適しているらしく、日持ちもよくなるようです。

また、「緑豆もやし」や「大豆もやし」と比べると軸が細いです(関西では「細もやし」で流通している場合もあり)。シャキシャキとした食感はありますが、他2つのもやしよりはそれは弱めでほのかな甘さがあります。

「もやし」と「豆もやし」、「黒豆もやし」の違いとは?

「もやし」と「黒豆もやし」は原料の豆が輸入頼りで、「豆もやし」も輸入が多いですが、国産のものもあります。

また、茎(軸)が太めなのが「緑豆もやし」と「大豆もやし」で、「黒豆もやし」は細めです。そして、「大豆もやし」は豆の部分が大きく、「緑豆もやし」と「黒豆もやし」は豆の部分が小さめ。

ちなみに、用途は「緑豆もやし」が炒めものや鍋、ラーメンなど、「豆もやし」がナムルやスープ、鍋、炒めものなど、「黒豆もやし」がおひたしやラーメン、焼きそばなど。ナムルが「豆もやし」、おひたしが「黒豆もやし」が向いている以外は、そこまでこだわらなくても大丈夫です。

そして、栄養の違いについては、「大豆もやし」が大豆イソフラボンが含まれていることやタンパク質が多くてカロリーが高いこと(もやし自体がヘルシー食材なので他より高い程度)、ミネラル量が他より少し多いこと以外は大差ありません。

 

今回は「(緑豆)もやし」と「豆もやし」、「黒豆もやし」の違いについてお伝えしました。

「もやし」は栄養がないなんて言われたこともありますが、ミネラルやビタミンも含んでいます。でも、「もやし」ばかりを食べるのはよくなく、もやしダイエットをするにも他の食品やサプリから不足分のミネラルやビタミンを補充したほうがいいでしょう。そもそも、単品ダイエットは味や食感に飽きやすく、栄養も偏るのでおすすめしません。

ぜひ参考にしてみてください。