「たらこ」と「明太子」の違いとは?

2020年7月9日

ご飯のお供としてだけでなく、ポテトサラダやスパゲティに混ぜて調味料の役割も果たす「明太子」

「明太子」として売られているものもあれば、「たらこ」として売られているものもあります。

「たらこ」の方が味付けが薄めで「明太子」の方が味付けが濃いような気もしますが、実際に違う部分は何なのでしょうか?

今回はそんな「たらこ」と「明太子」の違いについてお伝えします。

たらこ

たらこ

「たらこ」は鱈の卵巣を塩漬けした加工食品。鱈の魚卵そのものを指す場合も機会は少ないですが、あります。

原材料とする鱈は決められているわけではありませんが、日本では一般的にスケトウダラ(※スケソウダラと呼ぶ場合もある)の魚卵を使用

昔はそのまま「鱈の子」と呼ばれていましたが、いつの間にか「の」を呼ばなくなって「たらこ」と呼ぶようになりました。

明太子

明太子

「明太子」は鱈の卵巣を塩漬けした加工食品

朝鮮語でスケトウダラのことを「ミョンテ(明太)」と呼び、それの子なので「明太子」。朝鮮語では「明太子」のことを「ミョンラン(明卵)」と表現するため日本独特の表現です。

博多にある「辛子明太子」発祥のお店と言われる「ふくや」が唐辛子で漬けたスケトウダラの子のことを「辛子明太子」として売り出したことで西日本を中心にこの言葉が広まったと言われています。関東の方では「たらこ」がすでに浸透していたため、「たらこ」の方を使うのが一般的。

「たらこ」という言葉は東日本から西日本へとも広がったため、西日本では唐辛子を使っていないものを「たらこ」、使っているものを「明太子」もしくは「辛子明太子」として使い分けているところもあります。

ちなみに、朝鮮語が浸透している言葉といえば、焼き肉の「カルビ」も。「カルビ」は日本語ではバラ肉のことです。

辛子明太子

「辛子明太子」はスケトウダラの卵巣を唐辛子などで漬け込んだ加工食品

「たらこ」や「明太子」は広義の言葉ですが、「辛子明太子」に関しては一般社団法人全国公正取引協議会連合会により「辛子めんたいこ食品の表示に関する公正競争規約」の第2条の2で唐辛子とスケトウダラの子を使ったものに限定されています。

2 この規約において「辛子めんたいこ」とは、すけとうだらの卵巣(卵を含む。以下同じ。)に唐辛子を原料とする調味液等で味付けしたものをいう。

引用:全国辛子めんたいこ食品公正取引協議会

現在は「明太子」といえば、「辛子明太子」を指すことも多く、「辛子」の部分が省略されていることの方が多いです。

「たらこ」と「明太子」の違いとは?

「たらこ」と「明太子」は同じものを指し、「辛子明太子」は原材料が限定されたものを指す言葉です。

でも、「明太子」が「辛子明太子」のことを指すことも多く、その違いも今は曖昧だったりします。

企業も使い方が曖昧ですが、コンビニ業界は「たらこ」と「明太子」を使い分けていて、「たらこ」は塩漬けしたものを加熱処理したもの、「明太子」は唐辛子を使って塩漬けしたものを加熱処理していないものです。

 

今回は「たらこ」と「明太子」の違いについてお伝えしました。

「明太子」が「辛子明太子」を指す言葉として使われるようになってからはその違いは曖昧といえます。略語などの使いやすい言葉が一般的に使われるようになって意味がかわってしまうというのも日本語の面白いところですね。

ぜひ参考にしてみてください。