「天地無用」と「横積厳禁」の違いとは?
「天地無用」や「横積厳禁」は主に宅配業界で使われる言葉。ダンボールにしっかりと文字で書かれている場合もあれば、ケアマークが使われている場合もあります。
通販で物を買うことも多いので、グラスにひびの入った「壊れ物注意」や荷物を手が支えている「取り扱い注意」のマークも見たことがある人がほとんどでしょう。
そして、「天地無用」は漢字の並びから上下を気にしなくてもいいと思い込んでいる人もいますが、実際は違います。
今回は「天地無用」と「横積厳禁」の違いについてです。
天地無用
「天地無用」は上下をひっくり返してはいけないという意味。
「天地」が上下、「無用」が「~してはいけない」という意味ですが、字面から全く逆の意味の上下を気にしなくていいと勘違いしている人も少なくありません。
宅配業界に入って日が浅い人も間違えることがあり、「この面を上に」や「逆さま厳禁」と記されていることもあります。
「天地無用」は元々、「天地入替無用」や「天地顛倒無用」といった言葉でした。これなら上下入替えてはいけないや上下逆さまにしてはいけないという意味が伝わりやすく、間違える人も少なかったです。
でも、「天地無用」と短縮されて一般的に使われるようになったため、間違えてしまう人も出てきてしまっています。勘違いして覚えている人はどの年代にも半数とまではいきませんが、そこそこいるようです。
また、この「天地無用」は電化製品や観葉植物、日本人形など逆さまにすることで破損しやすいものに使われています。
そして、このような荷物は横向きに積むことでも破損につながるものばかり。「天地無用」は上下逆さまにしてはいけないという意味ですが、基本的には横に積むことも禁止です。
横積厳禁
「横積厳禁」は90度傾けて積んではいけないという意味。
こちらは漢字からも意味が理解しやすく、横にして積んではいけないというのが簡単にわかりますね。
また、90度であろうが上下逆さま(180度)であろうが、他の破損しにくい荷物よりは丁寧に扱わないといけない部分は一緒です。そのため、「横積厳禁」と「天地無用」はほとんど同じ意味として認識しても問題ないでしょう。
「横積厳禁」は水の入った水槽や観葉植物、精密機器などに使われています。
ちなみに、「横積厳禁」ではなく、「上積厳禁」や「下積厳禁」というものもあります。
上積厳禁と下積厳禁
「上積厳禁」と「下積厳禁」はどちらもこの荷物の上に他の荷物を置いてはいけないという意味です。
精密機器やガラス製品のダンボールに記されることが多く、「上置き厳禁」という表現が使われる場合もあります。
「天地無用」と「横積厳禁」の違い
「天地無用」と「横積厳禁」は漢字の意味からすると180度と90度という違いがありますが、一緒の意味だと考えていいでしょう。
言葉は相手に伝わらないと意味がないので、あなたが引っ越しの荷造りをするときはダンボールに「この面を上に」ということを合わせて記すのがおすすめです。
他にも、荷物によって「取り扱い注意」や「精密機器」、「水濡れ防止」、「直射日光・熱遮蔽」などのケアマークをうまく使うことで、宅配業者さんに大事なものが入っていることを伝えるといいでしょう。
ケアマークに関しては、ネットで調べればすぐに出てきますし、印刷して使えるところもあります。
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