「ピーマン」と「パプリカ」の違いとは?
「ピーマン」と「パプリカ」は見た目や実の厚さ、苦味などは違いますが、なんとなく仲間っぽい印象がありますよね。
「緑=ピーマン」、「赤や黄色=パプリカ」なんて分け方をしている方もいるでしょう。でも、ピーマンも熟せば赤や黄色になりますし、品種によってはピーマンのような見た目のパプリカも存在します。
今回はそんな「ピーマン」と「パプリカ」の違いについてです。
ピーマン
「ピーマン」はナス科トウガラシ属の植物。
日本では辛い唐辛子をとうがらし、辛くない唐辛子を甘とうがらし(唐辛子甘味種)に分類しているため、「ピーマン」は甘とうがらしです。
また、「ピーマン」は熱帯アメリカ原産で明治初頭に日本へ入ってきて、それを品種改良したものが昭和30年以降によく食べられるようになりました。唐辛子自体は16世紀頃に入ってきていましたが、辛味のない唐辛子が入ってきたのは明治初頭。
ちなみに、ピーマンという言葉はフランス語のpiment(ピマン)がなまったものと言われています。
パプリカ
「パプリカ」はナス科トウガラシ属の植物。
「パプリカ」もピーマンと同じで辛味がないため、甘とうがらしに分類されます。
また、「パプリカ」が輸入されるようになったのはわりと最近で1993年。オランダの種苗会社が開発したベル型の品種を輸入するようになり、オランダ語でピーマンを指すパプリカと呼ぶようになりました。
日本では元々フランス語である「ピーマン」とオランダ語である「パプリカ」が両方存在しますが、英語ではどちらも「bell pepper」や「sweet pepper」と呼びます。英語圏の人に「ピーマン」を伝えたいときは「green bell pepper」、「パプリカ」を伝えたいときは「yellow bell pepper」や「red bell pepper」と表現するといいでしょう。
ちなみに、原産地をたどるとアメリカで大航海時代にコロンブスが持ち帰ったものを品種改良したのが「パプリカ」。「ピーマン」も「パプリカ」も元は同じ植物で品種改良されることによって見た目などが今の状態になっています。
「ピーマン」と「パプリカ」の違いとは?
「ピーマン」と「パプリカ」は見た目や実の厚み、味が違いますが、元をたどれば一緒のもので植物の分類上も一緒です。じゃがいもの男爵とメークインのように同じ野菜だけど品種によって呼び方が違うといったものに近いところがあります。
栄養素に関しては元が同じものだけに似ているところがありますが、パプリカの方がビタミンCやカロテンが豊富。ピーマンだけに含まれているものでいうとピラジンがあり、これがあの青臭さの原因ですが、品種改良が進んで含有量が減ってきています。
また、日本で多く生産されているのは「ピーマン」で茨城県や宮崎県、高知県でシェアの50%を生産しています。「パプリカ」は最近では国産もありますが、輸入物が多いです。
今回は「ピーマン」と「パプリカ」の違いについてお伝えしました。
元々は同じものですが、輸入された経緯などにより呼び方が変わっています。海外のものを積極的に文化として取り入れる日本らしさが伺えますが、海外の人に説明するときはなかなか難しい野菜です。
ぜひ参考にしてみてください。
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