「敷居が高い」と「ハードルが高い」の違いとは?
「あのレストランはドレスコードがあるので敷居が高い」なんて使い方をしますよね。
芸能人もロケなどで敷居の高い店という言葉を使っています。
でも、この使い方は誤用だという人もいるでしょう。
今回はそんな「敷居が高い」と「ハードルが高い」の違いについてお伝えします。
敷居が高い
「敷居が高い」には2つの意味があります。
1つ目は不義理なことや面目ないことをしたためにその人の家に行きにくいこと。
敷居というと障子や引き戸などの溝やレールがついた木のことをイメージしがちですが、ここでいう「敷居」は門の内と外を仕切る横木のことです。昔の家は玄関入り口に周囲より高い横木(敷居)があり、これを跨いで入らないといけなかったことからできた言葉が「敷居が高い」。
何もない相手ならそんなこともないですが、不義理や迷惑をかけた相手の家には入りにくいですよね。
そして、この「敷居が高い」の使い方が本来の使い方です。
2つ目は高級だったり、格が高かったりしてその家や店に入りにくいこと。
元々は誤用として使われてきた言葉ですが、2017年12月に出版された広辞苑第七版以降には掲載されています。誤用の方がメジャー化し、使い方として認められたといった感じです。
言葉に厳しい人にはこの使い方は注意されてしまうかもしれませんが、今では間違った使い方ではなくなったのでどんどん使っていっていいでしょう。
ハードルが高い
「ハードルが高い」は乗り越えなくてはならない障害が大きいこと。困難。
単純に難しいことを指し、「自分の学力では東京大学合格はハードルが高い」などの使い方をします。
また、「敷居が高い」と同じような使い方も可能ですが、全てが置き換えられるわけではありません。「一人焼肉に行くのはハードルが高い」はOKですが、「一人焼肉に行くのは敷居が高い」といった使い方はNG。「ハードルが高い」の方が使える範囲が広いです。
「ハードルが高い」と似たような意味で使われるのは「レベルが高い」といった言葉の方でしょう。これもなんでもかんでも置き換えられるわけではないですが、「敷居が高い」よりは置き換えが可能です。
「敷居が高い」と「ハードルが高い」の違いとは?
「敷居が高い」は高級だったり格が高かったりしてその家やお店に入りにくいことを指し、「ハードルが高い」は困難なことを指します。
「職人の握るお寿司の店は~」ならどちらの言葉も使えますが、「英語を全く話せない私が海外留学するのは~」だと「ハードルが高い」しか使えません。
今回は「敷居が高い」と「ハードルが高い」の違いについてお伝えしました。
言葉は時代や使う人によって意味が変わってくる場合もあります。「敷居が高い」の場合は元々誤用だったものが正しい意味に変わったので説明してもわかってもらえない場合もあるかもしれません。
ぜひ参考にしてみてください。
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