「蝶」と「蛾」の違いとは?

似ている虫だけど、「蝶」には良いイメージ、「蛾」には悪いイメージを持っている人が多いでしょう。

なんとなく朝~夕方の日が出ている間に見るのが「蝶」、夜の蛍光灯に群がっているのが「蛾」というイメージもありますね。

今回はそんな「蝶」と「蛾」の違いについてお伝えします。

「蝶」は昆虫綱チョウ目のうち蝶類に分類される生物のこと

チョウ目は大きく分けて21種類あって、そのうちのアゲハチョウ科、セセリチョウ科、シャクガモドキ科の3種類が蝶類に分類されます。

主な特徴は7つ。

  1. 触覚の先端が膨らみマッチの棒のようになっている
  2. 昼に飛ぶ
  3. 翅(はね)を立てて止まる
  4. 色が華やか
  5. 胴体が細い
  6. 繭を作らない
  7. 鱗粉が剥げにくい

全ての特徴を備えていないといけないわけではなく、どの項目にも例外が存在します。

例えば、セセリチョウは触覚が先端も細くなっていて反り返っている、ジャノメチョウは色が地味など。

「蛾」は昆虫綱チョウ目のうち蝶類に分類されない生物のこと

蝶類に分類されない18種類の科が蛾となり、蝶の20倍以上の5500種類以上。

蝶も蛾も地球上の全ての種類が発見されて命名されているわけでなく、新種が発見されることも少なくはありません。

主な特徴は7つ。

  1. 触覚がクシ状になっている(雄の方が大きい)
  2. 夜に飛ぶ
  3. 翅を広げて止まる
  4. 色が地味
  5. 胴体が太い
  6. 繭を作る
  7. 鱗粉が剥げやすい

蝶でなければ蛾となるため、例外も多数あります。

例えば、シンジュツバメガは色が華やか、イカリモンガは翅を立てて止まる など

「蝶」と「蛾」の違いは?

日本だけに限ると昼行性と夜行性の違い、翅を立てて止まるのと広げて止まる違い、胴体が細いか太いかなどの違いがあります。

でも、海外の蝶や蛾を含めて考えると、例外もたくさんあって定義付けするのが難しいです。

蝶はロシア語で「бабочка(バーボチカ)」、スペイン語で「mariposa(マリポーサ)」ですが、蛾はその単語に「夜の」という形容詞をつけるだけです。

フランス語は蝶も蛾も「papillon(パピヨン)」、ドイツ語は「Schmetterling(シュメッターリング)」と区別しません。

どちらも昆虫綱チョウ目の生物で、昼に飛んでいるのと夜に飛んでいるくらいの違いでしか判断していないか、一緒くたにされているのが現状です。

「蝶」や「蛾」を研究されている専門家なら細かく分ける必要がありますが、一般人の場合は昼行性と夜行性の違いくらいで認識しているといいのかもしれません。

 

今回は「蝶」と「蛾」の違いについてお伝えしました。

例外が多くて定義も曖昧なため、正確な線引きというのが難しい生物でしたね。

「蝶」が大好きな人と話すときに「蝶」を「蛾」扱いするのはダメですが、それ以外ならあなたのもっているイメージで呼び分けるといいでしょう。

ぜひ参考にしてみてください。