野球の「マルチヒット」と「猛打賞」、「サイクルヒット」の違いとは?

野球中継を見ていると聞こえてくる「マルチヒット」や「猛打賞」。

特に「猛打賞」は実況の人が達成するとよく言う単語です。

ちなみに、「サイクルヒット」は達成するのが難しく、何人目の達成者やメジャー初などでニュースにもなることもあります。

野球に詳しい人なら当たり前に知っている言葉ですが、野球ファンになって歴の浅い人はそれらの言葉が何を示しているのかわからないかもしれません。

今回はそんな「マルチヒット」と「猛打賞」、「サイクルヒット」の違いについてお伝えします。

マルチヒット

「マルチヒット」は一人の選手が1試合で2本以上のヒットを打つこと

英語の「multi」には「複数の」という意味があり、「ヒット(hit)」は安打のことを指します。

日本語と英語が混合した「マルチ安打」という呼び方をしたり、日本語だけの「複数安打」という呼び方をしたり、日本で昔から使われている「固め打ち」という呼び方をしたりと人によって「マルチヒット」の表現は違うでしょう。

どれも同じこと(一人の選手が1試合で2本以上のヒットを打つこと)を指しています。

猛打賞

「猛打賞」は一人の選手が1試合で3本以上のヒットを打つこと

「マルチヒット」はメジャーでも通用する言葉ですが、「猛打賞」は日本野球界特有の言葉。

1949年に日本野球連盟が制定し、1試合で3本以上のヒットを打った選手に対してスポンサーなどから贈呈される賞です。賞というだけあり、達成した選手は賞金や賞品がもらえますが、もらえない場合もあります。(※景気や球場の客入りなどに左右されます)

ちなみに、球場で観戦している場合は「猛打賞」を達成したときの賞品がアナウンスされますが、テレビ中継だとほとんど聞こえません。

そして、賞品をもらえるもらえないに関わらず、日本では1試合で3本以上ヒットを打ったときに「猛打賞」とアナウンスされる機会が多いです。2本ヒットを打っている選手が打席に立つときに「あと1本で猛打賞です」というような使われ方もするでしょう。

また、「猛打賞」以外にもファインプレー賞や勝利投手賞など様々な賞があります。

サイクルヒット

「サイクルヒット」は一人の選手が1試合で単塁打(ヒット)、二塁打(ツーベースヒット)、三塁打(スリーベースヒット)、本塁打(ホームラン)を打つこと

「サイクル安打」や「一巡安打」といった呼び方もします。

そして、野球では9回までに打席が4,5回しか回ってこないことや選手の打力や足の速さなどを考慮するとかなり達成しにくい記録です。ホームランを打てるパワーがあり、三塁打を打てる足の速さがあったうえで、1試合中にほぼ全打席で打つ必要があります。

この難しい記録をメジャーで初めて日本人の大谷翔平選手が2019年6月13日(日本時間の14日)に達成したということでニュースで大きく取り上げられました。メジャーで大活躍したイチロー選手も2013年に惜しいことはありましたが、達成できなかった記録というと達成することの難しさがうかがえますね。

「マルチヒット」と「猛打賞」、「サイクルヒット」の違いとは?

「マルチヒット」は1試合に2本以上、「猛打賞」は1試合に3本以上ヒットを打つことです。2本以上なので3本以上でも「マルチヒット」ということは出来ますが、逆は出来ません。

「サイクルヒット」は1試合でヒット、ツーベースヒット、スリーベースヒット、ホームラン全てを打つことで達成するのが難しいです。

 

今回は「マルチヒット」と「猛打賞」、「サイクルヒット」の違いについてお伝えしました。

「猛打賞」と「マルチヒット」はわりと近い用語ですが、「サイクルヒット」は遠いです。これらの用語を頭に入れて野球中継を見るとより楽しめるかもしれません。

ぜひ参考にしてみてください。