「アルバイト」と「パート」の違いとは?

求人広告を見ると「アルバイト募集」と書いているものもあれば、「パート募集」と書いてあるものもあります。

そして、業務内容や給料に関してはあまり変わらないですよね。

アルバイトは主に学生やフリーター対象、パートは主に主婦対象といった感じがありますが、実際のところ違いはなんなのでしょうか?

今回はそんな「アルバイト」と「パート」の違いについてお伝えします。

アルバイト

アルバイト

「アルバイト」は期間に定めのある労働契約に基づき雇用される従業員の俗称

「バイト」と略すことも多く、非正規雇用の従業員の一種です。

また、語源はドイツ語で仕事を意味する「arbeit」に由来。明治時代の学生が学業の片手間にする仕事のことを呼んでいたものが誤った意味のまま広まりました。1980年以降にファストフードの求人数が増えたときに「アルバイト」の呼称を使ったこともこの名称が広まったことに大きく貢献していると言えます。この歴史があるので日本では「アルバイト=学生がする仕事」といったイメージがあります。

ちなみに、ドイツ語の「arbeit」にはそういった意味はありません。労働や仕事という意味です。

パート

パート

「パート(パートタイム)」は企業の所定時間より短い雇用者のこと

通常の労働者を表す「フルタイム」の対義語です。

日本では1947年にNTT(当時は日本電信電話公社)が主婦中心にパートタイム職員を雇用したことや1955年以降に百貨店が主婦を販売員として雇用したことから「パート」という呼称が広まっていきました。その歴史があるため、「パート=既婚女性が時間を限定して働く」といったイメージがあります。

「アルバイト」と「パート」の違いとは?

「アルバイト」と「パート」は労働基準法ではどちらも「労働者」で区別はありません

労働時間、労働日数が正社員の3/4以上であれば社会保険の加入も可能ですが、手続きの面倒さもあって加入しないのが一般的。有給化に関しても日数や労働時間の条件がありますが、取ることが可能。でも、雇用者側がその制度を知らないや労働者に知らせないことも多く、有給休暇を取るのは難しいです。

また、短時間労働者の雇用管理の改善等に関する法律(パートタイム労働法)での定義としても区別されません。「アルバイト」も「パート」も「パートタイム労働者」です。

第二条この法律において「短時間労働者」とは、一週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者(当該事業所に雇用される通常の労働者と同種の業務に従事する当該事業所に雇用される労働者にあっては、厚生労働省令で定める場合を除き、当該労働者と同種の業務に従事する当該通常の労働者)の一週間の所定労働時間に比し短い労働者をいう。

引用:厚生労働省

法律上は違いがないため、企業によって「アルバイト」を使うところもあれば、「パート」を使うところもあります。

定義がきちんとされていない弊害もあり、短期や中期目的で募集するのが「アルバイト」、長期で募集するのが「パート」といった区切りがあったり、繁忙期などスポット的に働ける人材を「アルバイト」、正社員に近い仕事をする短時間労働者を「パート」のように分けていたりする企業もあるでしょう。応募する側からするとそういう設定はわからないので、面接にいったけど条件が合わなくて無駄足になってしまうなんてこともありえます。

 

今回は「アルバイト」と「パート」の違いについてお伝えしました。

どちらも同じものですが、イメージはバイトが学生やフリーター、パートは主婦といったイメージが強いですね。そのイメージで企業が募集している場合もありますが、そうでない場合もあります。

ぜひ参考にしてみてください。