「はんこ」と「印章」、「印鑑」の違いとは?
宅配便を受け取るときや契約書に必要な「はんこ」。
同じような意味で「印鑑」という言葉も使われています。
そして、「印鑑」に似た言葉で「印章」というものも。
今回はそんな「はんこ」と「印章」、「印鑑」の違いについてお伝えします。
はんこ
「はんこ(判子)」は竹や象牙、合成樹脂などの素材に、名前やシンボルを彫刻したもの。
今のような形ではありませんが、歴史は古く、紀元前5000年以上前から古代メソポタミアで使われていたとされています。
ちなみに、日本には入ってきたのは西暦57年頃に中国からと言われ、歴史でも習う「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」が日本最古の判子だと言われています。
また、「はんこ」と言われて、はじめに思い浮かべる人も多い「シャチハタ」。
「シャチハタ」は正式名称ではないって知ってますか?
実は「シャチハタ」は会社名で、しかも、本当の会社の名前は「シヤチハタ株式会社」。
呼びやすいように「ヤ」が小さくなって、「シャチハタ」です。
そして、インクの出る判子の正式名称は「インキ浸透印」で、シヤチハタ株式会社が出している商品名は「Xスタンパー」です。
本当ならシヤチハタ株式会社が出しているインキ浸透印だけを「シャチハタ」と呼ぶべきなんですが、似たような商品も「シャチハタ」と呼んでいるのが現状。
印章
「印章」は「はんこ」と同じ意味。
他にも、印や印顆、印形なども同じ意味で使われますが、一般的に浸透しているのは「はんこ」です。
また、判子を押すことを「捺印」や「押印」と言いますね。
この2つの似ている言葉も意味は微妙に違います。
「捺印」は「署名捺印」の略で、氏名を手書きした書類に判子を押すこと。
「押印」は「記名押印」の略で、氏名が印字された書類に判子を押すことです。
「捺印」の方が「押印」よりも証拠能力が高く、「押印」は名前を書くだけの「署名」よりも証拠能力が低くくなっています。
印鑑
「印鑑」は捺印や押印をしたときに残る印影のこと。
「はんこ」と同じ意味で使われることも少なくないですが、正確には押された印の形のことを指します。
また、押された全てを「印鑑」とは呼ばず、銀行員や実印、会社印などの重要な場面で使われたものだけを指すでしょう。
これは、江戸時代に印章と印影の所有者を一致させるために登録し、その登記簿のことを「印鑑」と呼んでいたことに由来。
でも、実際のところは押された全てのことを「印鑑」と呼んでいることが多く、「はんこ」と同じ意味で使われていることもあります。
「はんこ」と「印章」、「印鑑」の違いは?
「はんこ」と「印章」は一緒で、「印鑑」は押された印影のこと。
でも、実際は同じような意味で使われています。
どれを使っても相手に伝わるなら問題はありません。
「はんこ」と同じ意味の「印章」の方が「印鑑」よりも伝わりにくいくらいです。
今回は「はんこ」と「印章」、「印鑑」の違いについてお伝えしました。
メディアなどでもたまに取り上げられ、雑学として違うということは知っておいて損はありません。
でも、日常生活では通じることの方が大事で、「印章」を使っても伝わらない可能性があります。
ぜひ参考にしてみてください。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません