「ラム」と「マトン」の違いとは?

好き嫌いが分かれる羊肉。

北海道ではお花見のBBQで食べるほどメジャーな食材ですが、本州の方ではジンギスカン専門店やデパートなどでしか見かけないわりとレアな食材です。

また、「マトン」は獣臭が強くてさらに好みが分かれ、「ラム」が柔らかくて食べやすいというのはわりと有名。

でも、「マトン」と「ラム」の違いについて説明できる人はなかなかいないでしょう。

それでは、「ラム」と「マトン」の違いについてお伝えします。

ラム

「ラム」は生後12ヶ月以内の永久門歯(前歯)が生えていない雄または雌の仔羊

生まれてからの正確な期間がわからない場合もあり、そのときは永久門歯の数で見分けます。

羊肉特有の獣臭さがないため、風味を大事にする日本人にも好まれる羊肉です。

ちなみに、仔羊なので肉の量は少なく、手間もかかるため、値段はどうしてもそこそこ高くなってしまいます。

「ラム」をさらに分け、「ミルクフェッドラム」、「ヤングラム」、「スプリングラム」、「グラスフェッドラム」、「イヤリングラム」といった分け方をする場合も。

  • ミルクフェッドラム:生後4~6週間以内で乳のみで育てられた仔羊
  • ヤングラム(ベイビーラム):生後6~8週間以内の乳のみで育てられた仔羊
  • スプリングラム:生後3~5ヶ月以内で乳のみで育てられた仔羊
  • グラスフェッドラム:生後3ヶ月ほど乳で育てた後、3ヶ月~6ヶ月牧草で育てられた仔羊
  • イヤリングラム:生後12~24ヶ月以内の仔羊

また、羊肉は年齢とともに黒みが強くなっていきます。ミルクフェッドラムは淡いピンク色、ラムはピンクがかった赤色、マトンは黒みのある赤色です。

マトン

「マトン」は生後2年以上7年未満の永久門歯(前歯)が2本以上生え揃っている雌牛または去勢された雄牛

ヒツジの正確な年齢がわからない場合は永久門歯が2本以上あるかどうかで見分けます。

そして、マトン肉の独特なにおいは牧草に含まれる「葉緑素(クロロフィル)」が「フィトール」という物質に変化することが原因。牛も牧草で育てるとこのにおいがしますが、穀物で育てられるためにこのにおいがありません。

肉が固めでにおいもあるために日本ではあまり食べられませんが、シチューなどの煮込み料理だったり、香辛料をたくさんつかった料理だったりすると美味しく食べられます。

ホゲット

「ホゲット」は生後1年以上で永久門歯(前歯)が1本以上の雌牛または去勢された雄牛

「ラム」と「マトン」の中間の羊肉です。

肉質は柔らかめで独特なにおいは少しあるといった肉の特徴も中間といった感じ。

日本ではほとんど見ることがありませんが、「ホゲット」を売りにしている専門店も稀にあります。

また、「ラム」や「マトン」ほど厳格な定義がされておらず、永久門歯が1本でも「マトン」に区分されることもあるようです。

「ラム」と「マトン」の違いとは?

「ラム」は仔羊、「マトン」は大人の雌牛といった違いがあります。

においは牧草の葉緑素がフィトールに変化したもので、牧草を長く食べているほどきついです。「ラム」では物足りなくなってきたけど、「マトン」はにおいがきつくて食べられないという人は「ホゲット」を探して食べてみるといいでしょう。

 

今回は「ラム」と「マトン」の違いについてお伝えしました。

「マトン」も料理の仕方や仕込みによってにおいが抑えられているものが増えています。食わず嫌いせずに美味しいと評判のお店でチャレンジしてみてもいいかもしれません。

ぜひ参考にしてみてください。