「白味噌」と「赤味噌」の違いとは?
日本を代表する発酵食品のひとつである「味噌」。
いつ頃伝来したかは定かではありませんが、平安時代以前から食べられていた食品(文献に残っているのは平安時代が最初)です。平安時代は高級品だったために庶民の口に入るようなものではなかったようですね。
今は安価で購入可能で、味噌汁が食卓にないと物足りないと感じる人も少なくありません。
また、味噌には「白」と「赤」があります。
今回はそんな「白味噌」と「赤味噌」の違いについてお伝えします。
白味噌
「白味噌」は大豆を煮た後にすりつぶしたものに食塩を加え、麹菌で発酵させてつくる発酵食品。
麹菌は、米麹や麦麹、豆麹があり、米麹で作ったものを「米味噌」、麦麹で作ったものを「麦味噌」、豆麹で作ったものを「豆味噌」と呼びます。
また、大豆と麹菌の比率や塩加減などは様々なバリエーションがありますが、熟成期間が1~2週間程度の比較的短いものが多いです。
赤味噌
「赤味噌」は大豆を蒸した後にすりつぶしたものに食塩を加え、麹菌で発酵させてつくる発酵食品。
蒸すことで大豆のアミノ酸が糖と結びつき、メイラード反応が起こります。(メイラード反応は還元糖とアミノ化合物を加熱したときなどの褐色物質を生み出す反応のこと)。その結果、赤味噌独特の褐色にになります。
また、熟成期間が白味噌より長く、メイラード反応による着色も進みやすいです。熟成期間が長いことで塩分濃度も高め。
白味噌の場合は、煮ることでアミノ酸や糖が流れ出ることと熟成期間が短いことに加え、米の精錬度を高めたり、あらかじめ大豆の皮を剥いたりなどの工夫によって白色に仕上げています。煮たかといって全ての糖やアミノ酸が流れ出るわけではないので、熟成期間を長くすると褐色化するでしょう。
ちなみに、愛知県では豆味噌(八丁味噌)を「赤味噌」や「味噌」と呼びますが、全国的には他の原料で作ったものでもメイラード反応が起こっている味噌であれば全て「赤味噌」と呼びます。
合わせ味噌
「合わせ味噌」は2種類以上の味噌を合わせたもの。
調合味噌といった呼び方をする場合もあります。
また、「赤だし」は豆味噌と米味噌をブレンドし、そこに調味料を加えた合わせ味噌のことやその味噌を使って作ったお味噌汁のことを指す言葉です。
「白味噌」と「赤味噌」の違いとは?
「白味噌」と「赤味噌」の違いは、原料である大豆を煮るか蒸すかが大きな違い。
この違いによってメイラード反応が起こるか起こらないかがかわってきます。
また、一般的には熟成期間の短い「白味噌」の塩分濃度が低く、熟成期間の長い「赤味噌」の塩分濃度が高いです。でも、白味噌でも塩分濃度を10%を超えるものもあり、これは一概にはいえません。
今回は「白味噌」と「赤味噌」の違いについてお伝えしました。
原料は一緒ですが、大豆を煮るか蒸すかによって色が変わります。メイラード反応に関しては、食品科学や化学の教科書に載っているようですが、習った記憶がありません。
ぜひ参考にしてみてください。
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