「マントヒヒ」と「マンドリル」の違いとは?

「マントヒヒ」と「マンドリル」はニホンザルのように生息地が日本でないため、どちらも動物園やテレビでしか見かけない動物。

猿の仲間だということはわかりますが、名前だけ聞いてどんな動物かパッと思い浮かぶという人も少ないでしょう。ちなみに、どちらが覚えやすい顔かというと「マンドリル」です。

今回はそんな「マントヒヒ」と「マンドリル」の違いについてお伝えします。

マントヒヒ

マントヒヒ

「マントヒヒ」はオナガザル科ヒヒ属に分類される霊長類

成獣のオスは体毛が灰色で、側頭部や肩の体毛が長く、その毛がマントのように見えることから和名がつけられました。成獣のメスや幼体の体毛は褐色で、オスのように毛が長くなりません。オスとメスが全然違うため、違う種類の動物だと考えられたこともあります。

生息地はエチオピアやジブチなどの東アフリカ、イエメンやサウジアラビアなどの中東。

また、ニホンザルのように群れを作り、昼間は1頭のオスと複数のメスや幼体で餌を食べながら移動し、夜間は大きな群れとなって崖の上などの安全な場所で休みます。一夫多妻制でぞくにいうハーレムを形成し、ハーレムのメスが逃げようとしたときは首に噛み付いて逃しません。「マントヒヒ」はオスの方が大きく、この行動をとったときに死んでしまうメスもいるようです。

ちなみに、食性は雑食。果実や種子、昆虫や小さな爬虫類などを食べます。

マンドリル

マンドリル

「マンドリル」はオナガザル科マンドリル属に分類される霊長類

「マンドリル」の特徴はなんといってもその顔。赤い鼻筋でその周りは青い縞模様、そして黄色いヒゲです。この特徴がはっきり出ているオスほどモテ、「マントヒヒ」同様にハーレムを形成しています。ちなみに、メスも似たような顔をしていますが、オスのほうが色合いが鮮やか。

そして、「マンドリル」はお尻の色もカラフル。これもオスの方がカラフルで、このような派手な色をした顔やお尻をしているのは、暗い熱帯雨林でも仲間を見つけやすくするためだと言われています。

生息地に関しては、カメルーンやガボン、コンゴ共和国などの中央アフリカ。

また、野生での生態は詳しく解析されていませんが、群れを作って生活し、ハーレムを形成することと夜間木の上で眠ることが知られています。外敵に襲われたときは攻撃的になりますが、比較的温厚な性格です。群れの中で喧嘩が起きたときもカラフルな顔を見せつけて仲裁します。

ちなみに、食性は雑食。果実や種子を主に食べ、昆虫や小動物を食べることもあります。

「マントヒヒ」と「マンドリル」の違い

「マントヒヒ」と「マンドリル」は同じオナガザル科の動物でヒヒ属とマンドリル属の違いがあります。

また、「マントヒヒ」のオスの成獣はマントのような長い毛が特徴で、「マンドリル」のオスの成獣は赤い鼻筋にその周りの青い縞模様、黄色いヒゲが特徴。メスの体格がオスよりも小さいことは共通していて、「マントヒヒ」はメスの体毛の色から違うのに対し、「マンドリル」はオスの特徴を弱くしたというとことが違います。

生息地に関しては、「マントヒヒ」が東アフリカや中東なのに対し、「マンドリル」は中央アフリカ。

そして、群れで生活することや食性は同じですが、温厚な「マンドリル」に対し、「マントヒヒ」は気性が荒くて凶暴。木の上で眠り、捕食者が少ない「マンドリル」に対し、「マントヒヒ」はワシや蛇などから狙われやすい場所で生活しているというのも関係しているかもしれません。

ちなみに、2020年現在、「マントヒヒ」が見られる動物園は15箇所程度、「マンドリル」が見られる動物園は20箇所ほどあります。