「うな丼」と「うな重」の違いとは?

土用の丑の日に食べる人も多いうなぎ。

「土用の丑の日」は平賀源内が夏に売れない知人のうなぎ屋のために張り紙をした説が有力とされ、大田南畝が知人のうなぎ屋のために「土用の丑の日にうなぎを食べたら病気にならない」という狂歌を作って宣伝したという説もあります。

また、「土用の丑の日」は各季節にあるものですが、うなぎを大々的に売り出すこともあって夏の土用の丑の日のことを指すことがほとんどです。人によっては「土用の丑の日」が1年に何回もこないと思っている人もいるかもしれません。

そして、うなぎの旬は秋冬。そのため、平賀源内が始めた宣伝に踊らされているというような人もいます。

でも、秋冬が旬なのは天然物のこと。うなぎは99%以上が養殖で、養殖技術が進んだ今は梅雨から夏にかけてが旬といえ、土用の丑の日に食べるのは正解です。1%未満の天然物をいただくときは土用の丑の日ではなく、秋から冬にかけて食べた方がよく、通ぶって天然物を土用の丑の日に食べるのは無知をさらすことになるのでやめたほうがいいでしょう。

さらに、うなぎの調理法は関東と関西で違います。関東は背開きで素焼きしてから蒸したものをタレを塗ってから焼くのが主流、関西は腹開きでそのまま焼いてタレを塗るのが主流。

前置きが長くなってしまったのでやっと本題に入りますが、うなぎをお店で食べる際に「うな丼」と「うな重」があります。

この2つの違いは一体何なのでしょうか?

うな丼

うな丼

「うな丼」はどんぶりに入れた熱い飯の上に鰻のかば焼きをのせ、タレをかけたもの

うなぎの量などはお店によってまちまちで、お吸い物や味噌汁、お新香などがつくかどうかもお店によって違います。

また、入れるどんぶりも安物のところが多いですが、有田焼や信楽焼の丼鉢を使っているお店もあって一概にはいえません。

うな重

うな重

「うな重」は重箱の中に入れた熱いご飯の上に鰻のかば焼きを載せ、タレをかけたもの

「うな丼」同様に、うなぎの量やお吸い物やお漬物がつくかどうかはお店によって違います。関西ではご飯とご飯の間にうなぎを入れるお店も。

また、「うな重」の場合は、並や上、特上などがあり、値段も左から順に高くなります。

並と上、特上の違い

うなぎの質が変わると思っている人もいるかもしれませんが、並と上、特上の違いはうなぎの量だけ

例えば、並で1匹分のうなぎを使った「うな重」を出しているお店なら上は1.5匹、特上は2匹と量が変わります。お店によってはお吸い物が肝入りになったりなどするかもしれませんが、基本的には量が違うだけとおぼえておくといいでしょう。

また、「松」「竹」「梅」も一緒です。

「うな丼」と「うな重」の違い

「うな丼」と「うな重」の違いは容器

一般的には、重箱の方が高級で老舗店も多く、丼は注文しやすくて気軽に食べてもらいやすい町の定食屋に多いです。でも、有名な焼き物を使った「うな丼」専門店や頼みやすい値段で「うな重」を提供しているお店もあり、そのイメージは絶対ではありません。

また、「うな丼」と「うな重」の両方を提供しているお店の場合、どちらを頼んでもうなぎの質は一緒のことが多いです。その場合は、お吸い物が肝いりになったり、お漬物のグレードが変わったりという部分で微妙な差をつけていることがあります。

そして、結局のところはそのお店次第の部分があるため、違いに関してはお店の人に聞くのが一番です。

 

今回は「うな丼」と「うな重」の違いについてお伝えしました。

養殖の技術が進み、安定したエサで梅雨から夏にかけて旬を迎える養殖ウナギ。それでも、卵から孵化させる完全養殖は難しく、成功例もありますが、まだまだ一般化・実用化はされていません。完全養殖が確立され、うなぎがもっと安い値段で提供されるようになるといいですね。

ぜひ参考にしてみてください。