「二期作」と「二毛作」、「輪作」の違いとは?
小学校の社会で習った「二期作」と「二毛作」。
あまり深掘りして習わないうえ、漢字1文字の違いしかないのでどっちがどっちだかわからなる言葉ですよね。その紛らわしさから中学受験の問題にもなりやすいです。
また、他にも農業関連で意味がごちゃごちゃになりやすいのが「輪作」や「連作」、「転作」、「裏作」。「二期作」や「二毛作」やこれらの言葉も農業に携わる仕事をしている人にとっては当たり前のことかもしれませんが。それ以外だとなかなか紛らわしく、説明出来る人は少ないのではないでしょうか。
今回はそんな言葉の中でも「二期作」と「二毛作」、「輪作」をピックアップして違いをお伝えします。
二期作
「二期作」は同じ耕地で同じ作物を年2回つくること。
主に稲作(水稲)に対して使われる言葉ですが、とうもろこしやぶどうなどを同じ耕地で年2回つくることにも使われます。
また、日本では1969年以降は需要と供給の関係からお米の生産調整(減反政策)が行われ、それほど盛んではありません。生産調整が行われる前は高知平野などで「二期作」が行われていました。
マレーシアやフィリピンなどの東南アジアの水田地帯では今も「二期作」が行われ、年に3回つくる「三期作」が行われているところもあります。
二毛作
「二毛作」は同じ耕地で1年に2種類の異なる作物をつくること。
二期作や二毛作に対し、1年で1回だけ作物をつくることを「一毛作」や「単作」と呼びます。
また、これも主に稲作に対して使われる言葉で、お米をつくった耕地で「裏作」として麦や菜種、じゃがいもなどをつくるのが主流でした。(※裏作に関しては後述)
また、日本では高度成長期頃からあまり行われなくなり、冬は休閑(耕地の地力を回復させるために作物の栽培を一定期間をやめること)する農家さんが多いです。
輪作
「輪作」は同じ耕地で数種類の異なる作物を数年サイクルで一定の順序で計画的につくること。
「二期作」や「二毛作」は1年単位ですが、「輪作」は数年(5~10年程度)単位です。
栽培する作物を計画的にかえることで、土壌の栄養バランスが整い、病原体や害虫の発生を抑えることができます。結果的に収穫量が増え、収穫物の品質も上がり、利点の多い方法です。
連作
「連作」は同じ耕地で同じ作物を繰り返しつくること。
「連作」も1年単位ではなく、数年単位に対して使われる言葉です。
また、「連作障害」という言葉もあり、同じ作物をつくり続けることで土壌の栄養バランスが偏ったり減ったりし、収穫量が減ったり、収穫物の品質が下がったりします。
お米や麦、かぼちゃなどは連作可能ですが、トマトやキャベツ、えんどう豆などは連作に向いてません。
転作
「転作」は同じ耕地でそれまでつくっていた作物とは違う種類の作物をつくること。
日本の場合は、「二期作」のところでも記述した1969年から実施されているお米の生産調整(減反政策)でお米から他の作物への転作が進められました。
また、「輪作」で、ある作物を再び生産することを前提として作物の種類を変えることも「転作」に含まれます。
裏作
「裏作」は同じ耕地で年に2種類の作物をつくるとき、主となる作物を収穫後に他の作物を栽培すること。
主となる作物を栽培することを「表作」と呼び、その対になる言葉です。栽培することではなく、その収穫物のことを指す場合もあります。
例えば、お米農家が二毛作で麦を作っていた場合、お米が「表作」、麦が「裏作」です。
「二期作」と「二毛作」、「輪作」の違いとは?
同じ耕地で1年に2回同じものをつくるのが「二期作」、異なるものをつくるのが「二毛作」です。
また、「輪作」に関しては、これら2つとは違い、数年単位で計画的に作物を栽培します。
今回は「二期作」と「二毛作」、「輪作」の違いについてお伝えしました。
普段生活しているとあまり聞かない言葉なのでごっちゃになってしまっている人も少なくないのではないでしょうか。
ぜひ参考にしてみてください。
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