「留置所」と「拘置所」、「刑務所」の違いとは?
罪を犯した人が牢屋(刑務所)に入れられるイメージがある人もいるかもしれませんが、そうではありません。
最近は、ニュースでも「留置所」や「拘置所」という言葉を聞く機会もあり、なんとなくその前に入れられる場所があるというのはご存知の方も少なくないでしょう。でも、実際に入った人というのは稀なので、実態は知らない人も多いハズ。
今回はそんな「留置所」と「拘置所」、「刑務所」の違いについてお伝えします。
留置所
「留置所」は警察に身柄を管理された人が入る施設。
逮捕された人の逃走や証拠隠滅を防ぐことが目的で入れ、施設は警察署内にあって取り調べがしやすくなっています。逮捕後の身柄拘束は警察が48時間、検察が24時間の最大72時間で、留置所には最大48時間と長くいる場所ではありません。ただし、勾留された場合はさらに10日間入ることとなり、勾留延長された場合はさらに10日間の逮捕されてから最大22日過ごすこともあります。(勾留場所は拘置所の場合も。)
ちなみに、被疑者(裁判にかけられていない状態で犯罪の疑いがかけられている人)なので、留置所での生活は「拘置所」や「刑務所」に比べると自由。取り調べ時以外は読書(3冊まで本を持ち込める)や運動、間食(買うことも可能)をして過ごす人が多いようです。朝食後に10分程度の運動の時間に喫煙も可能でしたが、平成25年4月1日に全面禁煙になりました。
また、酔っ払って保護された人も警察に身柄を管理される人ですが、入るのは「留置所」ではなく、「保護房」です。
拘置所
「拘置所」は検察官の起訴を受けた被告人が裁判によって刑が確定するまで収容される法務省の施設。また、刑の執行されていない人も入ります。
ちなみに、裁判を受ける人が全て被告人と思っている人もいますが、民事裁判で訴えられた人のことは「被告」で、刑事裁判で検察官に訴えられた場合が「被告人」と区別されます。
そして、裁判で刑が確定するまでは留置所から裁判所に通い、刑が確定するまでは拘置所と裁判所の往復。刑事事件で訴えられた人は99.9%が有罪とも言われますが、刑務所と比べると自由な生活をおくります。入浴や洗濯が週2,3回であることなど不便なこともありますが、留置所のように自弁(支給される食事以外に自費で買うこと)やお菓子を購入することも可能です。喫煙に関しては、以前はできましたが、留置所同様に出来なくなりました。
刑務所
「刑務所」は裁判の結果、刑罰に服することとなった者を収監する刑事施設。
懲役刑や禁固刑の受刑者を拘束して自由を奪い(自由刑)、罪の償いや社会復帰させるための矯正施設です。
刑が確定しているため、留置所や拘置所のような自由はなく、お菓子は年に数回ある祝日の日に「祝日菜」という名目で支給されます。受刑者はこれのことを「特食」と呼び、普段は食べられない甘味を心待ちにしているそうです。
「留置所」と「拘置所」、「刑務所」の違い
「留置所」は被疑者、「拘置所」は被告人、「刑務所」は受刑者が収容される施設です。
また、「留置所」と「拘置所」は起床時間や就寝時間が決められているなど自由がきかない部分もありますが、「刑務所」と比べると圧倒的に自由。
今回は「留置所」と「拘置所」、「刑務所」の違いについてお伝えしました。
関わる人の方が少なく、さらに詳しく知らない人が多いので「留置所」に入れられた時点で犯罪者扱いしてしまう場合もありますが、冤罪のこともあるので決めつけるのは早いかもしれません。
ぜひ参考にしてみてください。
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