「グラニュー糖」と「上白糖」、「三温糖」、「黒糖」の違いとは?
砂糖は「グラニュー糖」や「上白糖」のように白いものや「三温糖」のように茶色のもの、「黒糖」のように黒いものがあります。
また、ココナッツの花蜜を煮詰めて作った「ココナッツシュガー」や砂糖とシナモンを混ぜて作る「シナモンシュガー」、果実酒を作るときに使う結晶の大きな「氷砂糖」や「白ザラ糖」などのように砂糖の種類は本当に多いです。
今回は種類の多い砂糖の中から「グラニュー糖」と「上白糖」、「三温糖」、「黒糖」に絞って違いを見ていきましょう。
グラニュー糖
砂糖の原材料は知っての通り「サトウキビ」や「甜菜(砂糖大根)」。
そこから不純物やミネラルを複数の工程で取り除くため、かなりの手間がかかっています。
また、日本では江戸時代までサトウキビや甜菜の栽培をしておらず、中国などからの輸入に頼っていました。伝わってきたのは奈良時代の頃だと言われていますが、甘味料というよりはとても貴重なもので薬のような扱いだったようです。
そして、「グラニュー糖」は最高純度の糖液から作られる無色結晶状の砂糖。主成分はショ糖で、糖度は99.9%以上です。
サラサラしていて水分に溶けやすく、味にもクセがないのでコーヒーや紅茶に入れる甘味料として使われます。他にも、ヨーグルトやケーキなどの食品の甘味付けで使われるのが「グラニュー糖」。
また、世界では一般的に砂糖というと「グラニュー糖」のことを指します。
上白糖
「上白糖」の製造工程は途中までグラニュー糖と一緒ですが、最終工程で転化糖をまぶして作られる砂糖。主成分はショ糖ですが、転化糖や水分を含み、糖度は97%以上です。
グラニュー糖よりも甘味が強くてコクがあり、水分を含むのでしっとりしています。料理の味付けに使われることが多く、製菓は転化糖が含まれていてメイラード反応が起きやすいために不向き。
また、日本では一般的に砂糖というと「上白糖」のことを指します。「上白糖」を広く使っている地域はアジアの一部だけで、世界的に一般なのは「グラニュー糖」です。
三温糖
「三温糖」はグラニュー糖や上白糖が結晶として取り出された後の糖液を繰り返し煮詰め、結晶として取り出した砂糖。主成分はショ糖ですが、水分などを含み、糖度は95%以上です。
加熱を繰り返されることで独特のカラメル色がつきます。
また、糖液を再三再四加熱することから「三温糖」という名前がつけられました。
そして、糖度はグラニュー糖や上白糖よりも低いですが、雑味がある三温糖の方が甘味を強く感じます。コクや香ばしさもあるので、煮物や照焼などに使われることが多いでしょう。
和食ではよく使う「三温糖」ですが、実は日本特有の砂糖。
また、カラメル色をしているのでミネラルが豊富と勘違いされがちですが、グラニュー糖や上白糖よりミネラルが少し多い程度でそんなに差はありません。ミネラル摂取目的で「三温糖」をたくさん摂取するのはやめましょう。
黒糖
「黒糖」はグラニュー糖や上白糖より工程が少なく、粗糖液から不純物を取り除き、煮詰めて結晶化させたもの。主成分はショ糖ですが、サトウキビのアルカロイドなどの各種成分を含み、糖度は80%程度です。
ミネラルが豊富なのは「三温糖」ではなく、「黒糖」。色が似ているのが勘違いされている原因かもしれません。
また、濾過などの工程が少ない分、渋味や苦味などの雑味も多く、クセがある砂糖といえるでしょう。そのため、用途や人の好みは選びます。
「グラニュー糖」と「上白糖」、「三温糖」、「黒糖」の違い
「グラニュー糖」と「上白糖」、「三温糖」、「黒糖」はそれぞれ違うもので、用途も違います。
使い勝手が悪いのは「黒糖」ですが、その分ミネラルの多いのも「黒糖」。
また、世界一般的な砂糖は「グラニュー糖」なので、海外旅行などに行ったときは注意が必要でしょう。「上白糖」もコーヒーや紅茶に入れる分にはそこまでの差はありませんが、お菓子作りだと焦げ色がつきやすいのであまりよろしくありません。
今回は「グラニュー糖」と「上白糖」、「三温糖」、「黒糖」の違いについてお伝えしました。
「黒糖」にミネラルが多いのはわかりますが、あの味は苦手なんて人も少なくないはず。「グラニュー糖」や「上白糖」のようなミネラルがほとんどない砂糖は嫌という人は「ココナッツシュガー」がおすすめです。
ぜひ参考にしてみてください。
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