「転落」と「墜落」、「落下」の違いとは?

「落下」は自由落下運動を物理の授業で習うように物が落ちるときに使います。

そして、「転落」と「墜落」は事故のニュースなどで聞くことの多い言葉です。「転落」はバスや電車関連の事故や建物から落ちたときに使われ、「墜落」は飛行機やロケット、ミサイルなどに使われています。そのため、「墜落」のほうが高いところから落ちていて、「転落」は「墜落」よりも低いところから落ちているということをイメージする人も少なくないでしょう。

でも、「転落」と「墜落」の違いは高さではありません。

今回はそんな「転落」と「墜落」、「落下」の違いについてお伝えします。

転落

「転落」はなにかにぶつかりながら落ちること

他の意味に急激に落ちぶれることや堕落することもありますが、今回は転げ落ちるという意味だけをピックアップしています。

なにかにぶつかりながらというのはちょっとピンとこないかもしれませんが、階段から落ちてしまったときやサスペンスドラマで坂を転がる様子を考えるとわかりやすいです。階段から落ちたときは下の段にぶつかりながら落ち、坂は転がりならが落ちますよね。

また、足場から垂直に落ちるときも「転落」を使います。例えば、足場が崩れたり、足を踏み外したりしたときです。このときはどこにもぶつからずに落ちますが、「転落」を使います。

墜落

「墜落」は高いところからどこにもぶつからずに落ちること

飛行機やロケットが落ちてしまったときに使われ、転げ落ちたときのようにエネルギーが分散しないので落ちたときの衝撃も大きいです。

足場から垂直にどこにもぶつからずに落ちた場合も「転落」を使うため、「墜落」が使われる頻度自体は低め。でも、高いところから落ちるために事故の規模が大きく、記憶には残りやすいです。「日本航空123便墜落事故」はドキュメンタリーや再現ドラマが何度も放送され、知らないという人の方が少ないでしょう。

落下

「落下」はものが落ちることを指す言葉。

意味が広義でどこかにぶつかることや高いところから落ちること関係なく、落ちていれば「落下」です。「転落」や「墜落」も「落下」の一部。

「転落」と「墜落」、「落下」の違い

「転落」と「墜落」はどこかにぶつけながら落ちるのかぶつけないで落ちるかの違い。ただし、「転落」は足場を踏み外したときなどに垂直に落ちた場合も使う言葉で、「墜落」が「転落」より高いところから落ちている状態を表すというのもあながち間違いではありません。

言葉のインパクトは「墜落」の方があり、「転落」よりも使われている頻度は少ないですが、印象には残っているでしょう。

また、「落下」は広い範囲を指す言葉で「転落」や「墜落」も「落下」の一部です。

 

今回は「転落」と「墜落」、「落下」の違いについてお伝えしました。

高いところから落ちるのが「墜落」というイメージもあながち間違ってるとは言えませんが、落ちるときにぶつかるかどうかで「転落」と「墜落」が分かれます。

ぜひ参考にしてみてください。