「追及」と「究明」の違いとは?
事件の「真相追及」や「真相究明」といった使い方をする「追及」と「究明」。真相ではなく、原因の場合もあります。
また、同じ読みで意味が似ている「ついきゅう」が2つあり、それが「追求」と「追究」。
今回はそんな「追及」と「究明」の違い、「追求」や「追究」の意味や使い方についてお伝えします。
追及
「追及」はどこまでも追い詰め、責任や欠点を問いただすこと。
漢字の「及」は人に手が触れて追いつく様子を表した象形文字で、追いつくや追い詰めるといった意味があります。
そして、相手を責めたり問い詰めたりする場面などのネガティブな場面で使うことが多いです。例えば、「事故の原因を追及する」や「闇営業問題について追及する」、「責任を追及する」など。
また、「追及」には後から追いかけて追いつくという意味もあります。例えば、「後続ランナーの追及を振り切る」といった使い方。
追求と追究
「追求」は目的達成のためにどこまでも追い求めること。
「追及」とは違い、ポジティブな場面で使うことが多い言葉です。例えば、「利益を追求する」や「夢を追求する」など。
そのため、事故や事件などのネガティブな話題の「ついきゅう」は「追及」を使うのが正解です。
「追究(追窮)」は不確かなことや不明なことをどこまでも深く追い、明らかにしようとすること。
「研究」などでも使う「究」には極めるや最後まで探るという意味があります。
そして、この「追究」はポジティブな場面でもネガティブな場面でも両方使う言葉。例えば、「真理を追究する」や「事故の原因を追究する」など。「事故の原因を追及する」とは違う点があり、「追究」の場合は相手を問いただすのではなく、自分で調べるなどして解明しようとする意味になります。
究明
「究明」は道理や真理をつきつめて明らかにすること。
「究」の漢字が入っているだけあって「追究」に近い意味があります。「追究」の場合は不確かなことが最終的に解明しなくても使いますが、解明すること前提で使うのが「究明」。「原因究明」という場合は、原因を解明する必要があり、「原因究明が急がれる」といった使い方をします。
また、「追及」は「余罪を追及する」のように相手に対して問いただす場面で使うことが多いのに対し、「究明」は「追究」のように独自で調べて解明しようとするときに使うことが多いです。
ちなみに、トラブルや事故などの原因や真相を解明するときに使うことが多く、ネガティブな場面で使うことが多いのは「追及」と似ています。
「追及」と「究明」の違い
「追及」と「究明」の違いは、解明すること前提なのかどうかです。「追及」の場合は解明しようとしている段階で相手を問いただす場面などで使い、「究明」の場合は解明しようと個人や企業などが調べているときなどに使います。
相手に問いただしているのと独自で調べているというのもこの2つの言葉の違う点です。
今回は「追及」と「究明」の違いについてお伝えしました。
どちらもあまりいい意味では使われないことは似ていますが、使う場面や解明前提なのかが違います。また、「追求」と「追及」も誤用しやすい言葉で、ポジティブワードの「追求」、ネガティブワードの「追及」と覚えるといいでしょう。
ぜひ参考にしてみてください。
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